こんにちは。院長の成田です。
今回は歯科医院では必ずといっていいほど置いてある設備『石膏トリマー』についてお話ししたいと思います。
石膏トリマーって何??と思われる方が多いと思います。
石膏のトリミングに使用する切削機械です。石膏のバリを除去したり、底面・側面を整えたりします。
通常、歯科医院で患者さんの口腔内から採った印象体(ピンクの粘度みたいなやつです。アルジネートといいます)に石膏を注入して、
歯科技工所に補綴装置の製作を外注します。
歯科技工所に外注する前に、歯科医院内で歯科医師が上下の噛み合わせの状態の確認や義歯設計のために石膏トリマーを使用します。
歯科で使用する石膏には、『普通石膏』、『硬石膏』、『超硬石膏』に分類されます。当院では全ての症例で超硬石膏を使用しています。
どの石膏を使用しているのか、なぜその石膏を使用しているのかをかかりつけの歯科医院に問い合わせると参考になると思います。
すぐに納得がいく答えをしてくれないと詰め物・被せ物の精度に?が付きます。
HPにも記載しておりますが、石膏模型の精度が詰め物・被せ物には非常に重要ですので、歯科医院によってかなりこだわりがあるはずです。
実は石膏は硬そうに見えますが思ったよりもずっともろく、非常に繊細なものです。
仮に石膏を手でこするように触ろうもんならヤスリで削っているのと同じくらい削れてしまい、石膏が変形してしまいます。
石膏は印象体から外した直後が最も柔らかいです。絶対に触ってはいけない時期です。石膏は約24時間を掛けて石膏中の水分が空気中に抜けることによって徐々に硬化していきます。
24時間経過し、石膏が固まってからようやく石膏トリマーの出番です。
石膏トリマーには『乾式』と『湿式』の2種類があります。
文字通り、『乾式』は水は使用しないトリマーで、『湿式』は水を使用するトリマーです。
石膏には『吸水膨張』といって、水に濡れると膨張して石膏が変形する性質があります。
ですので、乾式の石膏トリマーを使用することが精度の高い石膏模型を製作するには必須になります。湿式の石膏トリマーでは吸水膨張を起こして模型が変形してしまいます。
もちろん当院は乾式の石膏トリマーを使用しています。
石膏は大学または専門学校で石膏の勉強を国家試験合格のためにこれでもかというくらいほどして、取り扱いの実習を嫌になるくらい行った歯科医師または歯科技工士が取り扱うべきです。石膏の勉強をしていない歯科衛生士が取り扱うのは大きな間違いです。ましてや国家資格がない歯科助手さんが取り扱うのはもっての外です。当院では歯科技工士が全ての石膏の管理をしています。
もっとお話ししたいことはあるのですが、長くなってしまうのでこのくらいで終わりにさせていただきます。
乾式の石膏トリマーに関してのyoutubeがありましたので、ご参考までに見てください。
https://www.meinandental.com/puroducts/lab products/dry trimmer
で検索してください。名南歯科貿易さんという会社さんが詳しい内容を動画にてアップしております。