こんにちは!
大宮なりた歯科医院の歯科技工士 吉富です。
今回は当院でもお勧めしている素材、ゴールドについてお話しします。
歯科治療において、ゴールドを使った詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)は、長い歴史と信頼を誇る治療方法の一つです。近年では、審美性を重視したセラミックやジルコニアが注目されていますが、ゴールドクラウンも多くの利点があり、特に奥歯の治療などで今なお根強い人気があります。今回は、ゴールドの被せ物の特性や利点、注意点について解説します。
ゴールドの良いところ
①ゴールドの被せ物や詰め物は歴史が長く、ずっと良いと言われ続けている
②機械加工のセラミックに比べて加工しやすく、技工士の手で作るのでより精密に仕上がる
③ゴールドは叩くと延びるという特徴のある柔らかい金属なので、噛み合うことでゴールドの方が馴染んで身体に合っていく
ゴールドの被せ物の特性
ゴールドは、歯科材料として非常に優れた特性を持っています。まず、金は非常に柔軟で、歯にフィットしやすいという特長があります。これにより、噛み合わせが自然で快適なものとなり、長期間にわたって安定した状態を保つことが可能です。また、ゴールドは生体親和性が高く、金属アレルギーを起こしにくい材料の一つとされています。そのため、アレルギーのリスクを最小限に抑えたい患者にも適した選択肢です。
さらに、ゴールドは非常に耐久性が高く、長期間使用することができる素材です。奥歯のように強い力が加わる部位でも、ゴールドクラウンは摩耗しにくく、長期間にわたってその機能を維持することができます。このため、歯科治療においては、特に奥歯のクラウンやインレーとして使用されることが多いです。
審美性よりも機能性を重視する治療
ゴールドの被せ物は、見た目よりも機能性を重視する治療法です。ゴールドクラウンは、審美性の面ではセラミックやジルコニアに劣りますが、特に奥歯においてはその高い耐久性と機能性が大きなメリットとなります。奥歯は通常、噛む力が集中するため、咀嚼の力をしっかりと受け止め、摩耗に強いゴールドが適しています。
また、ゴールドクラウンは咬めば咬むほど咬み合わせに馴染んでいくので、周囲の歯や対合歯に対するダメージも少ないという特徴があります。硬すぎる素材は、噛み合わせたときに対合歯を摩耗させてしまう可能性がありますが、ゴールドは適度な柔軟性を持っているため、歯に優しい素材です。この点からも、咬合力が強くなる奥歯には非常に適しています。
ゴールドクラウンの利点
ゴールドクラウンの大きな利点の一つは、その精密なフィット感です。金は加工しやすくセラミックよりも精密に作ることが出来ます。簡単に作れる方が精度は高いというわけです。そのため装着後の違和感が少なく、噛み合わせも非常に自然に仕上がります。さらに、金は耐食性が高く、口腔内の酸やアルカリによって腐食しにくいため、口の中で長期間安定して存在します。
また、ゴールドは熱伝導率が低いため、冷たいものや熱いものを食べたときに敏感になることが少なく、歯の健康を保つうえでも有効です。ゴールドクラウンは、その特性から歯の寿命を延ばす効果が期待できるため、長期的に安定した治療結果を求める患者に適しています。
ゴールドクラウンの注意点
ゴールドクラウンには多くの利点がありますが、注意点もあります。まず、審美性が求められる前歯には適していません。ゴールドはその名の通り金色で、目立ちやすいため、笑ったときに見える前歯にはあまり向かない素材です。そのため、前歯の治療には、セラミックやジルコニアといった審美性の高い素材が選ばれることが一般的です。
また、ゴールドクラウンは保険適用外であり、ゴールド自体も高騰していることも含めて、費用が高めに設定されています。そのため、治療費が患者にとって大きな負担となる場合もあります。治療の際には、費用面についても十分に考慮する必要があります。
まとめ
ゴールドクラウンは、その耐久性や生体親和性の高さから、特に奥歯の治療において非常に優れた選択肢となります。審美性よりも機能性を重視し、長期間にわたって歯を守りたいと考える患者にとって、ゴールドクラウンは信頼性の高い治療法です。また、使っているうちにゴールドが身体に合った形に馴染んでいくので、対合歯にも優しいため、自然な噛み心地を実現できます。費用や審美性を考慮しつつ、自分に合った最適な治療方法を選ぶことが重要です。
大宮なりた歯科医院では、患者さん一人ひとりのニーズに合わせた治療を提供しており、ゴールドクラウンについても相談可能です。長期間にわたって安心して使用できる素材として、ゴールドクラウンは今後も選ばれ続けることでしょう。