大宮なり歯科医院の歯科技工士の吉富です
前回の私のブログに続き、今回は歯科用セラミックと歯科用プラスチックの材料的な違いについてお話しします
歯科用レジン(コンポジットレジン(CR))
わかりやすくするために、前回のブログでは歯科用プラスチックと表現しました
本来、歯科で使われるプラスチックは『歯科用レジン』と呼ばれます
主にコンポジットレジン(CR)です
コンポジットレジンは、光照射により硬化します
身近なもので例えると、男性には馴染みがないかもしれませんが、ジェルネイルが同じ種類のものです
コンポジットレジン充填(詰める)の手順
①ボンディング剤(接着剤)を塗布する
② 青い光(可視光線)を当て、硬化させる
③コンポジットレジンを盛り付ける(ジェルネイルの場合は、その時にネイルカラーを塗る)
③青い光(可視光線)を当て、硬化させる
④形や高さを整えるため研磨する
CRはその日のうちに短時間で完結する治療方法です
重合、硬化させるのに当てる光はとても重要です
重合器には、強い可視光線を出すハロゲンランプが使われますが、一番必要な波長は可視光線の468〜480ナノメートルとされていて、各メーカーから発売されている重合器は、フィルターなどを駆使して最も効果的な光が強く出るように設計されています
青い光を当てるため紫外線と勘違いしている方も多いのですが、紫外線は人間の目には見えない光です
〈引用〉 POLA様HPより
↑ ↑ ↑
ここが紫外線 照射はこの辺りを使う ここが赤外線
(紫色より外の領域・見えない) (赤色より外の領域・見えない)
余談ですが、虹のグラデーションは光の波長の長さによって決まっています
必ず1番内側は紫で1番外側は赤になります
ご自身でも調べてみてくださいね!
歯科用セラミック
私が患者さんに歯科用セラミックの説明する時には、例えとして「ご自宅でも使う、陶器のお皿をものすごく強化して、咬む力に耐えられるように改良したものです」とお伝えしています
ここからもお分かり頂けるように、全く同じではありませんが、要は陶器です
陶器の材料は何かというと、土から取り出す長石などの鉱物です
ゴールドの価格が高いのは、ゴールドそのものが貴重で高値で取引されるからですが、セラミック(陶器)が高いのは、加工に大変な手間と技術が必要だからです
ドラマなどで、陶芸家がお皿を割るシーンを見た事はありませんか?
思うような形や色に焼き上げるのは大変難しいのです
話は少し逸れますが、作り手の立場から言うと、セラミックを加工するよりゴールドを詰め物や被せ物に加工する方が容易です
金属とセラミックの収縮率は大きく異なります
より収縮の大きいのはセラミックですので、完成時に収縮している事の想定して作業を進めていくのです
加工が容易ものの方が、よりピッタリとフィットするものを製作出来ると言えます
当院でゴールドをお勧めするのには、こんな理由もひとつあります
まとめ
歯科用プラスチック、歯科用セラミック、ゴールドなど、それぞれの特徴や材料、製作方法なども知ることで、ご自身に治療が必要になった時により適したものを選択するお手伝いになればと思っています
詳しいお話しは都度していますので、ご不明点やご興味があればお声がけください