こんにちは、院長の成田です。
今回は他院さんで処置されたインプラントに対する当院の取り扱いに関してお話ししたいと思います。
転勤などでやむなく通院ができなくなってしまった、担当医の先生とトラブルになってしまって通院したくないなど様々な理由を抱えて当院にご来院される患者さんがおられます。
結論から言うと当院では他院さんで処置されたインプラントに対応できない可能性が極めて高いです。インプラントを処置された歯科医院への通院を強くお勧めします。
お困りになられた患者さんを目の前に言うのは非常に心苦しいですが、上記が結論になります。
では、どうして当院で取り扱うことができないのでしょうか?
それはズバリ、どこのメーカーの何のタイプのインプラントなのかが私には分からないからです。
インプラントは大きく分けて、3つのパーツに分けられます。
1、フィクスチャー
2、アバットメント
3、上部構造
フィクスチャー
アバットメント
上部構造
インプラントを簡単に説明すると、顎の骨にネジを植え込んで、ネジの上にもう一つネジ止めをして固定しています。ネジ止めをするということはドライバーやネジなどのパーツが必要です。
つまり入っているインプラントと同じ種類のパーツがないと処置ができないのです。患者さんから見たらパーツくらい持ってるでしょ?と思われるかもしれません。
しかしながら、実はインプラントメーカーはたくさんあるのです。私が勉強した15年前では約250メーカーがありました。それぞれのメーカーに対してのパーツがあり、互換性はありません。インプラントのフィクスチャーは顎の骨に埋められているので、直接目で見ることができないません。ですので、レントゲン画像だけでの診断になります。したがって、メーカーの特定が非常に難しいのです。
乗用車に例えるのが1番わかりやすいと考えているので、乗用車で例えてお話を進めさせていただきます。
繰り返しになりますが、インプラントのフィクスチャーは顎の骨に埋まっているので、レントゲンでパッと見てもメーカーがわかりません。つまり、この乗用車(インプラント)のメーカーがトヨタなのかホンダなのかメルセデスなのかが見た目だけではわからないということです。さらに言うと、トヨタを特定できたとしても、プリウスなのかクラウンなのかランドクルザーなのかがわかりません。車種によっても使用するパーツが異なります。さらにさらに、年代によってもパーツが違います。
トヨタ車に乗っているのに、故障したからといってホンダの工場にはいきませんよね?その反対にトヨタ車の工場なのに日産車が来ても対応できませんよね?それと同じように取り扱っているメーカーが違うと申し訳ありませんが対応ができないのです。これが他院で処置されたインプラントに対して当院が処置できないという理由です。
いかがだったでしょうか?インプラントは1種類だと思っていませんでしたか?インプラントは治療方法の名称であって、材料は星の数ほどあることがお分かりになったかと思います。
次回は治療費が極端に安いインプラントの闇?に関してお話したいと思います。