噛み合わせは見た目でわかると思っていませんか?
実は噛み合わせは見た目ではわかりません。パッと見ただけでは良い噛み合わせかよくない噛み合わせかを判断ができないということです。
見た目でわかることは歯並びです。噛み合わせではありません。
CHATGTPなどのAIにもぜひ聞いてみてください。歯並びと噛み合わせは別物ですと返答があるはずです。
見た目がいいとなんでも良く見えてしまうというなんとも不思議なマジックです。
噛み合わせの神秘について少しだけお話ししたいと思います。
あらかじめ遺伝情報で歯が生えてくると決められた位置の歯肉に穴が空き、上皮パイプラインという道ができ、歯が生えてきます。そのため、歯茎だけでなく骨にまで自然と穴が開いて痛みもなく歯根が入ってきます。そして驚くことに、歯並びが悪く見えても上下の歯はきちんとミクロン単位で噛み合うようになるのです!髪の毛1本噛んだら誰でも髪の毛を噛んでいるとわかるはずです。髪の毛は約60ミクロンと言われています。つまり60ミクロンずれたら全員がダメだと認識できるのです!!いかがでしょうか?想像よりも細かい世界だと感じませんでしたか?
歯並びが悪いと噛み合わせが悪い。噛み合わせが悪いと噛みにくい。噛みにくいと栄養が摂取しにくくなる。歯並びが悪いと虫歯になりやすい。歯並びが悪いと将来はを失うリスクが高い!それは大変だ!歯列矯正をして対策をしなくては!!本当でしょうか??近年、管理栄養士さんを雇用してこの手の話をしているとよく耳にします。いろんなことが混同していますね。ところで、咀嚼機能検査はしたのでしょうか?現代ではグミゼリー検査という検査方法があります。健康保険診療にも導入されている非常にメジャーな検査です。古くは篩分法、吸光法などがあります。我々は医療をしています。診断には必ず診察・検査が必須です。見た目でわかるのは『視診』という検査のみです。咀嚼機能や噛み合わせに関して意見を述べるのであれば各種検査をしてその検査結果を元に歯科医師が診断を下すべきです。歯科医療において診断ができるのは歯科医師のみですので歯科医師が患者さんにご説明をする義務があります。
歯並びが悪いと虫歯になりやすいと聞いたことがあるかもしれません。しかしながら、大学の歯学部で勉強する虫歯になりやすい場所は歯並びが悪いところとは習いません。虫歯になりやすい場所は3大箇所と習います。
①、奥歯の咬む面の溝
②、歯と歯の間
③、歯と歯茎の間
この3つです。
実際の臨床の現場でこのような患者さんをよく目の当たりにします。
前歯の歯並びがよくないのに虫歯はない。しかし、歯並びの良い奥歯が虫歯だらけ。
歯並びが悪ければ虫歯になりやすいならば、歯並びが悪いところから虫歯になりすいということになりませんか??しかし、実際は違うことがほとんどです。いったい何なんでしょうか?
もし自分が上記のような状態であれば、なぜ歯並びが悪い部分が虫歯でなく、歯並びがいいはずの奥歯が虫歯になっているのかぜひかかりつけの先生にお聞きください。
大阪大学より引用